群発頭痛

新薬のエムガルディについて記載しておきます。

 

片頭痛の予防薬となりますが群発頭痛で悩まれている方からも熱視線が送られています。

Galcanetumab(エムガルディ)が2021/4から使用可能となりました。

やはりメリットとデメリットがあるそうです。


【メリット】

・副作用が少ない

抗体で分子量が大きいため、脳や肝臓、腎臓には入らない。

月に1回の皮下注射だけ

エムガルディには120mgオートインジェクターと120mgシリンジがあります。

オートインジェクターはご自身でどこでも打てます。

注射が怖い方は120mgシリンジを医療機関で打って貰えば良い。

初回だけ240mgのため、2本打つ必要がある。
1本1ccですので、皮下注射される量としてはインフルエンザ予防接種の倍位の量です。

初回だけ4倍量となる。

・反復性片頭痛、慢性片頭痛の患者さまにも確実な効果あり
残念ながら、臨床治験症例数が少なく中止になってしまいましたが、Galcanetumabを300mg/月の皮下注射で、反復性群発頭痛の発作も軽減できる可能性があります。

 

【デメリット】

・コスト
まだ、薬価未収載、つまりお値段が決まっておりませんが、恐らく120mgで\70,000、3割負担の方で\21,000、初回は\42,000と結構ビックリするお値段になります。

 

➡︎価格が決まったようです。
・エムガルティは画期的新薬ですので1シリンジの薬価が約1万3千円あまり(本人負担3割で)とやや高価です。
・といっても1日当たりに換算すると400円のコーヒー1杯分です。
・今までの治療で満足されている方は従来のお薬で治療を続けてください。

 

副作用としては、注射部位の注射後の痛み、腫れ、しこり、痒みが圧倒的に多く(10~15%)、その他には目立った副作用がありませんでした。

 

※片頭痛で悩まれていたオードリーの若林さんもオールナイトニッポンにてエムガルディの効果を発言しているようです!

 

【投与対象となる患者は、次の(1)―(4)のすべてを満たす患者に限定されます】

(1)国際頭痛分類(ICHD第3版)を参考に十分な診療を実施し、「前兆のある」または「前兆のない」片頭痛の発作が月に複数回以上発現している、または慢性片頭痛であることが確認されている
(2)投与開始前3 か月以上、1か月あたりのMHD(頭痛日数、migraine headache days)が平均4日以上である
(3)▼睡眠・食生活の指導▼適正体重の維持▼ストレスマネジメント―などの非薬物療法、および片頭痛発作の急性期治療等を既に実施している患者で、それらの治療を適切に行っても日常生活に支障を来している
(4)我が国で既承認の片頭痛発作の発症抑制薬(プロプラノロール塩酸塩(インデラル錠ほか)、バルプロ酸ナトリウム(セレニカ錠、デパケン錠ほか)、ロメリジン塩酸塩(ミグシス錠)など)のいずれかが、▼効果が十分に得られない▼忍容性が低い▼禁忌または副作用等の観点から安全性への強い懸念がある―ために使用または継続できない

本剤の投与中は症状の経過を十分に観察し、「本剤投与開始後3か月(3回投与後)」を目安に治療上の有益性を評価して症状改善が認められない場合には、「投与中止」を考慮することが必要です。さらに、その後も定期的に投与継続の要否を検討し、「頭痛発作発現の消失・軽減等により日常生活に支障を来さなくなった」場合にも、投与中止の考慮が必要です。ガイドラインでは「日本人を対象とした臨床試験において、本剤の18か月を超える使用経験がない」点を指摘しており、長期投与は好ましくありません。



さらに有害事象発生の可能性もあるため、投与に当たっては次のような点に留意が必要です。
▽本剤成分に対し重篤な過敏症の既往歴を有する患者は、投与禁忌であり投与しない

▽アナフィラキシー、血管浮腫、蕁麻疹などの重篤な過敏症が報告されている。重篤な過敏症反応は本剤投与数日後に現れること、反応が長引くことがある

▽添付文書に加え、製造販売業者が提供する資料等に基づき本剤の特性・適正使用のために必要な情報を十分理解してから使用する

▽本剤のRMP(医薬品リスク管理計画)を熟読し、安全性検討事項を確認する

 

▽本剤は「片頭痛発作の発症抑制」のための薬剤であり、治療中に頭痛発作が生じた場合には、必要に応じて急性期治療薬を用いるよう患者に指導する